総論

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慢性的な疼痛は、不可逆的で執拗、進行性であり、かつこのような疼痛で苦しむことには何の意味もない。それゆえ急性の疼痛に比べて特別な配慮を必要とする。

定義

  • 痛みは、心身両面の体験であり、「患者本人が痛むと言っているもの」と定義するのが最もよい。
  • がん患者の7割が痛みを経験し、そのうち4/5の患者では2カ所以上の痛みを感じる。

がん性疼痛の臨床的分類

  • 持続性の痛みはがんの浸潤による内蔵、軟部組織の痛みであり、オピオイド鎮痛薬によく反応する。
  • 一定しない痛みはオピオイド鎮痛薬への反応は余りよくない。
    • 動く時に悪化する痛み→骨転移痛
    • 灼けるような、刺すような痛み→神経の痛み

 

痛覚閾値に影響を与える諸因子に留意しなければならない

  • 心理的因子や社会的因子が無視されると、痛みは治療に反応しにくい状態に陥ってしまう。
  • 低下させる(痛みが強くなる)因子は不眠、疲労、不安、恐怖、怒り、悲しみ、うつ状態、孤独感(社会的、個人的)などである。
  • 上昇させる(痛みを軽く感じる)因子は人とのふれあい、気分の高揚、十分な睡眠、気晴らしなどである。
  • 不眠をいかにコントロールするかに配慮することが特に重要である。

がんの痛みの治療における一般的な誤り

  • ペンタゾシン(ソセゴン)がコデインやコデイン類の薬よりも効力が大きいと信じていること。
  • ペンタゾシン、ブプレノルフィン(レペタン)などは、コデインやモルヒネと併用すべきでないことを知らないこと。
    • ペンタゾシン(ソセゴン)を使用すべきではない、ペンタゾシンは弱オピオイドである。また副作用として精神症状を現すことが多い
  • 患者は新しい処方に即応できないことが多く、翌朝訪問したとき、間違えているのを発見することが多い。十分な管理指導が必要な理由である。
  • 長時間作用の薬は投与中の他の薬の服用時刻に合うように指示する。
  • ある薬は食前に、他の薬は食後に投与するのが最もよい場合でも、実施しにくい複雑な服薬計画を避けるため、純薬理学的理論を捨て、食前と食後のうち一方だけを選ぶのが賢明である。
  • がんによる痛みと、その他の原因による痛みを混同すること。
  • オピオイド鎮痛薬に反応しない痛みがあることや、モルヒネと他の薬との併用が必要な痛みがあることを理解していないこと。
  • 患者や家族への指導を怠ること。
  • 最適な投与量や投与方式に到達しないうちに、最初の選択薬を他の薬に切りかえること。
  • 不適当な鎮痛薬の併用、たとえば2つの弱いオピオイド鎮痛薬の配合剤や、強オピオイド鎮痛薬と弱オピオイド鎮痛薬の配合剤を使用すること。

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