輸液、栄養
- 人間は、半飢餓状態でも数か月は生存できる。食べ物は命の糧だと考え、患者に「沢山食べれば“余命”が延びる、だから食べるように」と励ますのは、誤っている。
- 動けなくなった末期患者には、輸液や鼻腔チューブによる栄養補給は不要である。それは、次のような理由による。
- 末期患者の脱水状態は、鎮静作用、嘔吐の抑制、尿量の現象、分泌物の現象など多くの利点がある
- 集中的な栄養補給も延命には役立たず、腫瘍を増殖させるだけである。
- 集中的な栄養補給をしても、衰弱や体重減少を回復させることができない。
- 中心静脈栄養を行っても、体重は増えないし、生存期間を延ばすこともできない。
- 集中的な栄養補給をしても、症状の軽減もなければ、体力が改善したと患者が感ずることもない。
- 集中的な栄養補給には、処置(チューブの挿入など)が必要であり、それは弱っている患者には不快なことである。
- チューブや静脈内ラインが挿入されていると、患者と家族の間の心の触れ合いが最も大切な時に、それを邪魔することになる。
- 栄養補給法(腸内チューブや静脈内高カロリー輸液など)は、治癒のための治療を試みている患者、あるいは、全般的に快適な日常生活を楽しんでいる患者には適切な(普通の)方法であるが、がんが進行した患者には不適切であるから、避けるべきである。このような方法は、死に直面している患者にとり、何の慰めももたらさず、むしろ、不必要な苦しみを与えるだけである。僅か数日、死への旅路を延ばすかも知れないが、残された人生の質を改善するものではない。
- チューブや静脈内ラインを外すだけで、患者は楽になる。患者がそれを望めば、さっさと外すべきである。瀕死の患者が意識がないなら、医療スタッフは現実を直視し、患者を楽にすることを考えた上で、チューブや静脈内ラインは、患者の命を延ばすのには余り役立たないことを、家族の人達に十分説明すべきである。
終末期に行う栄養補給
- 食欲の改善(食欲不振)
- ビタミンCの大量投与(1日に4回、500mg)を6週間続けると、食欲を向上させ、身体の状態をよくすることがある。
- 補助食品
- カロリーを補うために、味のないブドウ糖複合体を含んだ補助食品を、飲み物、スープ、なべものなどの中に加えるとよい。
- 流動食
- 患者が衰弱している時には、食べさせるよりは、栄養的に完全な流動食を一口ずつすすらせる。少しずつ何度にも分けて(1時間に50mlずつ)与えると、患者は元気づけられる。
- 一口で食べられる栄養強化食品