抗がん剤
- 通常、化学療法で治癒できる腫瘍には、ホジキン病、精巣がん、絨毛がん、バーキットリンパ腫、小児白血病、腎芽細胞腫[ウィルムス腫瘍]などがある。治ることもある腫瘍には、非ホジキンリンパ腫、肉腫、卵巣がん、神経芽細胞腫、急性白血病などがある。
- ほとんどの固形がん(肺、乳腺、食道、胃、膵、結腸、膀胱など)は、化学療法に対する反応が悪い。したがって、大量投与方式も固形がんの緩和にはほとんど役立たない。腫瘍細胞を根絶できないし、生存期間を延ばすことも稀れで、時には毒性のある副作用で寿命を縮めることさえある。症状コントロールをねらって化学療法を行っている時に、毒性の副作用が起こったのでは言い訳がたたない。
- ただし、肺がんのうち、小細胞がんの転移は例外である。この場合には、併用化学療法で症状を抑え、数週間の生存期間を12か月間(時には、2〜3年間)まで延ばすこともできる。併用化学療法を3クール行うと、75%の患者に改善がみられる。
- 軟部組織や肺への転移を伴う乳がん患者の50%が、併用化学療法3クールに反応したが、延命に成功した患者は稀であった。
- 胃、膵、結腸の腺がんでは、患者の20%がフルオロウラシルの単独治療には反応しているが、併用化学療法が反応率を上げているわけではない。
- 治療の中止については、次のような原則に立って患者に説明するとよい。「効かない化学療法はかえって害になる。」